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■ はじめに:「陸上=走るだけ」って思ってない?
「陸上って、ただ走るだけでしょ?簡単そう。」
そんな言葉に、全国の陸上選手たちは一様に眉をひそめることでしょう。
実は、陸上競技には筋肉・肺・メンタル・根性の限界を試す“鬼畜”な種目がゴロゴロ存在します。
この記事では、
「陸上で一番きつい種目は何か?」という永遠の議題に、本気で迫ってみます。
■ 候補①:400m走 ── 陸上界の“地獄の1周”
まず筆頭に挙がるのが、400m走です。
中途半端な距離に見えるかもしれませんが、選手たちはこう口を揃えます。
「100mのスピードで、800mの覚悟がいる。」
400mは、全力疾走で1周走りきらなければならない種目です。
しかも、酸素が足りなくなるのが200m過ぎ。
そこからは、乳酸という悪魔との戦いになります。
ゴール後、倒れこむ選手たちの姿は、まさに“限界を超えた者”そのもの。
意識が飛ぶ寸前まで出し切る競技──それが400mです。
■ 候補②:十種競技 ── 10種目を2日間で?
「一番きつい?それ、1種目で決めていいの?」
そう語るのは**十種競技(デカスロン)**のアスリートたち。
100m・走幅跳・砲丸投・走高跳・400m・110mH・円盤投・棒高跳・やり投・1500m…
これら10種目を2日間でこなすという、まさに“陸上の総合格闘技”。
短距離も、跳躍も、投てきも、持久力も…
それぞれの種目で戦いながら、なおかつトータルの得点で勝敗を競うという狂気。
必要なのは「才能×根性×回復力×分析力×体力×忍耐力」。
もはやアスリート界のマルチプレイヤーたちです。
■ 候補③:3000m障害 ── 疲労の中で“池ポチャ”も?
“あまり知られていない地獄”としてじわじわ話題なのが、3000m障害(SC)。
これは普通の長距離レースではなく、障害物付きの3000mです。
- 35個のハードル
- 7つの水濠(すいごう)
飛び越える、跳び乗る、水に濡れる、そして走る…。
しかもそれを、**3000m(7.5周)**に渡って続けます。
ミスれば転倒、水没、捻挫。
技術とスタミナ、集中力が同時に問われるという、体と頭の総合地獄コースです。
■ 候補④:800m走 ── “スプリント系地獄”
見落とされがちですが、800mも相当ハード。
中距離とされながら、スピードは短距離並み、距離は2倍。
- ペース配分をミスれば後半で失速
- ラスト1周は“地面が溶ける”感覚に襲われる
- 相手との駆け引き、コース取りも複雑
一説には、「400mよりもきつい」と言う選手も少なくありません。
■ 候補⑤:10000m走 ── 忍耐と孤独の世界
10,000mは、言わずと知れた“耐久系の頂点”。
レース時間は30分前後。
それを1人で黙々と走りきる孤独さも相当なものです。
しかも、トラックを25周。
観客も選手も“時間の感覚が麻痺”していきます。
練習では1日30km以上を走りこむ日も。
心肺、脚力、メンタル、全ての“芯”が問われます。
■ 特別枠:競歩 ── 意外すぎる過酷さ
忘れてはいけないのが競歩。
「歩いてるだけでしょ?」と侮るなかれ。
20km・50kmを、1秒でも気を抜けば失格になるルールで、
スピードは時速15km以上(=100mあたり24秒前後)という驚異的な世界です。
さらに、フォームを崩せば即レッドカード。
常に“美しく・速く・正しく”歩き続ける、その集中力と技術は超一流です。
■ で、結局「一番きつい種目」ってなに?
結論から言うと──**「人によって違う」**です。
でもあえて“総合的なヤバさ”で選ぶなら…
★ 編集部的「3強」ランキング!
1位:十種競技
→ 総合力、精神力、回復力のすべてが問われる
2位:400m走
→ 一発勝負の苦しさ×乳酸地獄=陸上界の拷問
3位:3000m障害
→ スタミナ・技術・精神の“3点攻め”で脱落者多数
■ 終わりに:自分にとっての“きつさ”が一番の敵かもしれない
陸上競技は、単なる記録競争ではありません。
そこには、「自分の限界との対話」「負けそうな心との葛藤」があります。
どの種目であれ、それを“きつい”と思えるほど、全力で挑んだ者にしか見えない世界があるのです。
だから、もしあなたが「どれが一番きついか」気になるなら――
まずは、走ってみてください。
その瞬間から、あなたの陸上が始まるのです。