Contents
- はじめに|ケガを“運”だと思っていませんか?
- 【1】ダイナミックストレッチ|ウォーミングアップの鍵は“動的”に
- 【2】ハムストリングケア|肉離れ予防の最前線
- 【3】足裏ケア|小さな筋肉がパフォーマンスを決める
- 【4】肩甲骨はがし|上半身の“連動性”を高めよ
- 【5】股関節ストレッチ|「脚が上がらない」の根本原因
- 【6】腸腰筋ほぐし|“姿勢崩れ”はこの筋肉から始まる
- 【7】アイシング|炎症は“冷やす”が基本
- 【8】セルフマッサージ|指先ひとつで、リカバリー
- 【9】呼吸法トレーニング|“酸素の入り口”を整える
- 【10】“何もしない”というケア
- まとめ|ケガを「卒業」するために必要な10の習慣
- おわりに|「ケガしやすい人」から「ケガと無縁の人」へ
はじめに|ケガを“運”だと思っていませんか?
「また足を痛めた」
「試合直前で肉離れ…」
「疲労骨折なんて、自分には関係ないと思っていたのに」
陸上競技においてケガは“つきもの”と言われがちです。
しかし、それは本当でしょうか?
実はケガの多くは“予防可能”です。
この記事では、**「ケガしやすい人の習慣」と「改善のための具体的ストレッチ・ケア法」**を10個厳選して紹介します。
誰でもできる、でも“やっていない人が多い”アクションをまとめました。
この記事を読めば、今日からケガ予防が始められる。
そして何より、安心して走る自信が手に入るでしょう。
【1】ダイナミックストレッチ|ウォーミングアップの鍵は“動的”に
|静的ストレッチはNG!?
ウォームアップでいきなり前屈していませんか?
実はスタート前に筋肉を止める動き(静的ストレッチ)をすると、パフォーマンスが低下することが研究で明らかになっています。
|おすすめメニュー
- レッグスイング(前後左右)
- ランジツイスト
- ハイニー(膝上げ)×10歩
- アームサークル(腕回し)
筋肉を“動かしながら伸ばす”=筋温上昇+可動域向上を同時に叶えます。
【2】ハムストリングケア|肉離れ予防の最前線
|スプリンター最大の敵、「ハム離れ」
100mや200mでは、ハム(太もも裏)に爆発的な負荷がかかります。
最もケガが起こりやすい部位とも言われます。
|ケア法
- スタティックストレッチ(10〜15秒)
- フォームローラーでの筋膜リリース(1部位30秒)
- ベッド上での“足上げリズム運動”
「張りを感じたら、即ケア」の意識がパフォーマンス寿命を延ばします。
【3】足裏ケア|小さな筋肉がパフォーマンスを決める
|地味だけど超重要
足の裏は「第二の心臓」と呼ばれることも。
ここが硬くなると、膝・腰・首にまで影響が出るとされています。
|おすすめケア
- ゴルフボールで足裏コロコロ
- 足の指グーチョキパー運動
- タオルギャザー(足指でタオルをたぐる)
レース前日には必ず足裏チェックを!
【4】肩甲骨はがし|上半身の“連動性”を高めよ
|走りに肩って関係ある?→あります
肩甲骨が固まっていると、腕振りがスムーズにいかず、脚の動きまで連動が悪くなるのです。
|ストレッチ方法
- 壁タッチストレッチ(腕を背後に回して壁につける)
- 肩甲骨回し(両肩で大きな円を描く)
- チューブで肩甲骨引き寄せ
上半身の自由度=スプリントの推進力、と考えよう。
【5】股関節ストレッチ|「脚が上がらない」の根本原因
|特に女子選手は要注意
骨盤が安定しないと、股関節が固まりやすく、脚の動きが極端に制限されます。
|おすすめメニュー
- 開脚ストレッチ(無理なく30秒キープ)
- 膝倒し運動
- スパイダーランジ(四つん這い+足踏み)
滑らかなストライドには、柔らかな股関節が不可欠。
【6】腸腰筋ほぐし|“姿勢崩れ”はこの筋肉から始まる
|知られざるインナーマッスル
腸腰筋(ちょうようきん)は、体幹と脚をつなぐ“隠れ主役”。
ここが弱い、または固まっていると、腰痛やピッチの乱れが起こります。
|ケア方法
- チューブを使った膝引き寄せ
- フロントランジ(左右各10回)
- 仰向けでの足バタバタ運動
【7】アイシング|炎症は“冷やす”が基本
|ケガ予防はケアの積み重ねから
練習後に少しでも違和感がある場所は、迷わず冷やすこと。
|アイシングのポイント
- 15〜20分を限度に
- タオルで巻くこと(凍傷防止)
- できれば心臓より高い位置に
「痛くなってから」では遅い。
「痛くなる前に」冷やす意識を。
【8】セルフマッサージ|指先ひとつで、リカバリー
|プロ選手が“習慣化”している
「マッサージはプロの仕事」と思っていませんか?
実は一流選手ほど**“自分でほぐす”時間を大切にしています。**
|道具
- テニスボール
- フォームローラー
- マッサージガン(あると便利)
夜寝る前、たった5分で翌日の感覚が激変します。
【9】呼吸法トレーニング|“酸素の入り口”を整える
|肺だけで呼吸してない?
陸上選手の多くは、呼吸が浅く、横隔膜がうまく使えていないと指摘されます。
|改善法
- 鼻呼吸トレーニング(吸う→止める→吐くの3段階)
- ドローイン(お腹を凹ませた状態で呼吸)
- 呼吸+ストレッチ(息を吐きながら深める)
心身のリラックスにも絶大な効果を発揮します。
【10】“何もしない”というケア
|休む勇気、持っていますか?
最も軽視されがちで、最も重要なケア。
それが「完全休養日」です。
筋肉も心も、回復の時間がなければ壊れていく一方。
|休養日にやること
- ストレッチだけ(15分)
- 半身浴
- リラクゼーションミュージック
- よく寝る!
最強のコンディションは、「やること」より「やらないこと」で整う場合もあるのです。
まとめ|ケガを「卒業」するために必要な10の習慣
No. | ケア法 | メリット |
---|---|---|
1 | ダイナミックストレッチ | パフォーマンス向上+ケガ予防 |
2 | ハムストリングケア | 肉離れ予防 |
3 | 足裏ケア | 姿勢改善、連動性向上 |
4 | 肩甲骨ストレッチ | 腕振り改善、スピード増 |
5 | 股関節ストレッチ | 可動域UP、ストライド安定 |
6 | 腸腰筋ほぐし | 姿勢&ピッチ改善 |
7 | アイシング | 怪我の芽を早期に摘む |
8 | セルフマッサージ | 筋肉疲労回復、感覚のリセット |
9 | 呼吸法 | 自律神経の安定、リズム感強化 |
10 | 何もしない勇気(完全休養) | オーバートレーニング防止、回復効率UP |
おわりに|「ケガしやすい人」から「ケガと無縁の人」へ
ケガをするたびに、成長は止まる。
でも、ケアを習慣化できれば、あなたは確実に“壊れない選手”になれる。
今日からでいい。
ひとつでも、生活の中に取り入れてみてください。
そして、走り続けてください。
“本当に速い自分”に出会うために。