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4月25日は“もう一度走りたくなる日”|陸上がくれた再出発の奇跡たち

序章:春のなかばに走る理由

4月25日。
桜が舞い終わり、制服の袖が少しだけ暑く感じられるこの季節。
新しい靴でトラックに立つ者、新たな自分と向き合う者、少しだけ疲れた心で“続けるか”迷う者…。

そんな春のなかばに、陸上はもう一度だけ「走ってみないか?」と語りかけてくる。

そしてこの日、数々の名もなき“始まり”が積み重なってきた。
今回は、「4月25日」が刻んできた、陸上界の“静かな奇跡”たちを追いかけていこう。


第1章:1999年4月25日 ― 歴史を塗り替えた17歳の挑戦(女子棒高跳)

  • 大会名:ヨーロッパジュニア陸上選手権
  • 開催地:ギリシャ・パトラ
  • 主役:スベトラーナ・フェオファノワ(ロシア)/当時17歳

この日、彼女は女子棒高跳びで世界ジュニア新記録4.25mを達成。
当時、「女性に棒高跳びは難しい」と言われていた時代に、あえてその“空”を選んだ。

「私が跳ぶことで、誰かが“やってみよう”と思えたらいい。」

この跳躍は、その後の女子棒高跳の発展へとつながる。
4月25日は、誰かが“空を跳ぶ決意をした日”として語り継がれている。


第2章:4月25日生まれの名選手 ― アルフォンソ・ウィリアムズ(米国)

  • 生年月日:1980年4月25日
  • 種目:男子800m
  • ベスト記録:1分44秒32
  • 実績:2004年アテネ五輪代表/NCAA優勝2回

アルフォンソの魅力は「一歩の重み」だった。
爆発力ではなく、“しずかに速い”という異質な存在感
ストライドもピッチも突出していないのに、気づけば前にいる。

引退後、コーチとしてこう語っている。

「走ることは、爆発じゃなく“会話”だと思ってる。
風や身体と対話するうちに、自然と記録がついてくる。」

彼のように、**“語れる走り”**ができる選手は多くない。
4月25日――まさに「聞こえないスピード」が生まれた日だった。


第3章:2005年4月25日 ― スマートウォッチ×ランニングの原点誕生

この日、米国でガーミン社が**初代ランナー向けGPSウォッチ「Forerunner 201」**を発表。

  • 距離・ペース・心拍数のリアルタイム表示
  • PC連携によるトレーニングデータ保存(当時としては革新的)

「記録は、覚えていなくてもいい。デバイスが全部残してくれるから。」

これが後に、世界中の市民ランナーの“習慣”を変えることになる。
「走ること」=「記録すること」=「自己と向き合うこと」

そして現代、すべてのトレーニングデータは4月25日に始まった「記録の革命」の恩恵を受けている。


第4章:ある高校生の手記 ― 2021年4月25日「走れない日」の日記

今日は、部活に行けなかった。
足をひねったのが原因だけど、本当は心が重かった。
走るって、こんなにしんどかったっけ?

家に帰る途中、川沿いのトラックで見知らぬ子がひとりで走っていた。
その子は、たぶん小学生。遅いしフォームもバラバラ。
でも、何周も何周も、走り続けてた。

なぜか泣きそうになった。
明日は走ろうと思う。

この日記が、部活内で静かに回覧され、次の週から「朝自主練」が自然発生的に始まった。
4月25日は、誰かの“再出発”が始まる日でもあるのだ。


第5章:2024年4月25日 ― “最後のレース”と向き合った大学生

福岡のある大学で、引退を決めた4年生が自主企画のラストレースを開催。

  • 観客:仲間たちのみ
  • 種目:5000m
  • 記録:自己ベスト+45秒(でも、全力)

彼はレース後、こんな言葉を残した。

「記録は全部過去になるけど、
このレースの“気持ち”だけは、これからの自分に残る気がしてる。」

その姿に泣いた後輩たちが、翌年から「4.25引退レース」を恒例行事として継承している。


第6章:4月25日とは、“走る意味を思い出す日”

たとえばこの日、
自己ベストを出す人はいないかもしれない。
メダルをもらう人も、表彰される人も少ないかもしれない。

だけど、“あ、もう一度だけ走ろう”と思う人が、何人も生まれる日。

それが4月25日。
陸上競技の中で、最も「日常」に寄り添う記念日なのかもしれない。


結語:走ることは、特別じゃない。でも、かけがえない。

どこにでもある一日。
けれど、そこに自分の「走り」があるだけで、風景は変わる。

4月25日、あなたのトラックにもきっと風が吹く。
ゼッケンがなくても、応援がなくても、「走ってみたい」という気持ちがあれば、それでいい。

またここから始めよう。
一歩、一歩、過去の自分を超えていくために。

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