フライング気づかず400m全力疾走… 陸上悲劇の棄権に海外波紋「選手が本当に気の毒」

DLモナコ大会、他選手の失格に気づかずまさかの事態「史上最悪の運営だ」

 陸上のダイヤモンドリーグ・モナコ大会で悲劇の棄権が起きた。男子400メートルで他選手のフライングに気づかず、そのまま400メートルを全力疾走。ゴールまで走り切って状況に気づき、結局、レースを棄権した。まさかの瞬間を大会公式YouTubeが動画付きで公開し、「選手が本当に気の毒」「史上最悪の運営だ」などと波紋が広がっている。

 悲劇の棄権が生まれたのは12日に行われた男子400メートルだった。緊迫したスタートの場面。しかし、号砲が鳴るより早く4レーンのカーマリ・モンゴメリ(米国)が動いた。すぐさまフライングを知らせるブザーが鳴る。走り出した面々は、直ちにスピードを緩めたが、異変がアウトレーンに起きた。音が聞こえなかったのか、6、7、8レーンの3人はそのまま走っていったのだ。100メートルほど走ったところで6、8レーンの2人は異変に気づき、ようやく走りを止めた。

 問題は7レーンのジョナサン・ジョーンズ(バルバドス)だった。それでも気づかずに走り続ける。他の多くの選手は仕切り直しに向け、切り替えていたが、なんとそのまま400メートルを完走。幻のゴールを切ったところでタイムが何も表示されておらず、選手たちがスタート地点にいるのを見て、初めて気づいた様子だ。両手を広げ、「何が起こったんだ」とばかりのリアクション。全力を出し切った直後とあって、そのままコース脇に座り込み、レースは棄権した。

 ダイヤモンドリーグ公式YouTubeチャンネルは「ジョナサン・ジョーンズ、間違えて400メートル完走」と題して実際のシーンを公開。目の当たりにした海外ファンもジョーンズに対する同情と、選手に気づかせることができなかった大会側に対する苦言が相次いでいた。「誰もレースを止めなかったのが不思議」と疑問の声も

「この選手が本当に気の毒」
「オフィシャルの人間が誰もレースを止めなかったのが不思議。頑張りが無駄になってしまった選手が可哀想」
「この選手がリカバリーしてレースに出られるまで延期すべきだった」
「なんたる失態。運営は処罰されるべき」
「史上最悪の運営だ」
「ここ大事なんだけど、彼は優勝したの?」
「学生さん、ビッグレースにようこそ」
「彼は一瞬、優勝したと思ったはず。笑」
「可哀想。世界新記録を確信しただろうに」
「マラソンじゃなかっただけ、まだよかった」

 海外メディアも反応。スイスのフリーペーパー「20minuten」は「400メートルでフライング―選手は気づかず」と見出しを打ち、「彼にとっては、これがダイヤモンドリーグのデビュー戦。20歳の選手は全てを正しく遂行しようとしたが、結果的には全てがミスだった。体力を使い切ってしまったために、もう一度走ることはできなかった」とレポートしていた。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190714-00066955-theanswer-spo