女子バレー、ロシアに完敗…木村沙織「自分たちのバレーしたい」 決勝T懸け最終戦へ

リオ五輪の女子バレーは現地時間12日、予選グループリーグの第4戦を迎えた。すでに3勝を挙げて決勝トーナメント進出が決めているロシアに対し、日本は勝てば進出が決まる一戦だ。

ブラジル戦で気迫あふれるプレーやサーブで成果を残した鍋谷友理枝を今大会初めて先発に起用し、セッターにはブラジル戦に続いて田代佳奈美が先発した。高さを誇るロシアに対し、積極的に攻めたい日本だが、レシーバーの前でストンと落ちるサーブに失点を喫し、5-10と苦しいスタート。田代、島村春世のブロックで9-11と2点差まで迫るも、ロシアは中盤、終盤にサーブ、ブロックで日本を圧倒。連続得点で大差をつけ、14-25で第1セットはロシアが先取する。

流れを変えるべく、第2セットは第1セット終盤から交代したセッターの宮下遥、ウィングスパイカーの石井優希、迫田さおりをスタートで起用した。開始早々、宮下がサービスエースで得点し、5-1と日本が先行する。

その後もサーブで攻め、相手のサイドからの攻撃を2枚、3枚ブロックで確実にタッチを取ってラリーを展開、迫田、木村沙織が決めて10-5と日本が優勢に試合を進め、中盤を迎える。相手の攻撃を絞り切れず、ラリーに持ち込めなかったブラジル戦と比べ、木村が「相手の攻撃をディフェンスして、自分たちの攻撃につなげることができた」と振り返ったように、ブロック、レシーブで粘り強く拾う日本に対し、地元ブラジルの観衆も声援を送り、ホームゲームのような歓声の中、セッターの宮下も自らツーアタックを決めるなど、積極的に攻め、18-16とリードした。

しかしロシアもナタリア・ゴンチャロワ、タチアナ・コレシェワの世界屈指の高さとパワーを誇る2人のウィングスパイカーを軸にした攻撃で応戦。日本のブロックの上から、さらには打ち抜くほどの力強いスパイクで得点し1点差まで追い上げると、ウィングスパイカーのイアーナ・シチェルバンが日本のリベロ、佐藤あり紗と石井の間を絶妙に狙ったサーブでポイントを重ね、18-20と一気に逆転。終盤にも連続失点を喫した日本は20-24とリードを許し、ロシアのセットポイントを迎える。

圧倒的にロシアが優位に立つ状況だったが、日本も迫田の気迫がこもったスパイクや、コースやターゲットを変えて打ち分けた木村のサーブで得点を返し、宮下の好レシーブから迫田が決め、24-24と同点にする。会場のボルテージも一気に高まるなか、石井のブロックでセットポイントを握った日本だが、木村が「相手のブロックにきれいにワンタッチを取られた」と言うように、ロシアの手堅い守備からの攻撃を防ぎきれず、28-30、手に汗握る攻防を繰り広げたが、第2セットもロシアが連取した。

後がない第3セット、迫田、石井のスパイクで攻める日本に対し、ロシアは3枚ブロックで応戦。4-7と追う展開が続く。前半はほとんどトスが上がらなかったミドルの荒木絵里香や、途中出場の山口舞の速攻がようやく決まるも、リードを得てさらにサーブで攻めるロシアの勢いは止められない。

終盤、木村、迫田のスパイクや宮下のブロックで18-22まで追い上げたが、眞鍋政義監督が「数字の上でロシアに何ひとつ勝てていなかった」と振り返ったように、攻撃力、守備力共に勝ったロシアに力負け。ストレートで敗れ、3敗目を喫した。

現地時間14日に行われる予選グループリーグの最終戦は、アルゼンチンと対戦。勝ったほうが決勝トーナメントへと進出する。準々決勝進出、さらには目標と掲げて来たメダル獲得へ負けられない一戦へ向け、木村は「自分たちらしいバレーをしっかりして、次のトーナメントに勢いを持って進みたい」と決意を語った。

 

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