【世界陸上】サニブラウン200ｍは７位、好発進も終盤力尽きる

陸上の世界選手権は第７日の１０日、ロンドン競技場で男子２００メートル決勝があった。この種目でウサイン・ボルト（ジャマイカ）の１８歳１１カ月を更新する史上最年少のファイナリストとなった１８歳５カ月のサニブラウン・ハキーム（東京陸協）が２０秒６３（向かい風０．１メートル）で７位入賞を果たした。２００３年パリ大会で銅メダルを獲得した末続慎吾以来、１４年ぶりの表彰台は逃した。日本勢の入賞は今大会初めて。優勝はグリエフ（トルコ）で２０秒０９だった。

これが世界との差か。外から二つ目の８レーンから飛び出したサニブラウン。自己記録が１９秒台の世界のトップスプリンターから必死に逃げる。カーブを抜ける手前までは食らいついた。だが、サニブラウンの最大の持ち味である大きなストライドを生かした後半の爆発力が通用しない。逆に突き放され、フィニッシュ後は思わずトラックにへたり込んだ。

末続以来のメダルが期待された。０３年パリ大会で３位に入った末続が日本人に合ったしなやかな走りを目指したのに対し、サニブラウンは日本らしさと海外の最先端トレーニングの融合を図っている。

１７８センチの末続は、９２年バルセロナ五輪４００メートル８位の高野進コーチと二人三脚で取り組み、重いウエートトレーニングを避け、１日最高２０００回の腹筋などで体を作った。

サニブラウンは１月からオランダ代表コーチに指導を受けて急成長。週３回の筋力トレーニングで体重は約５キロ増え、１８８センチの長身が生むストライドの大きな走りは安定感を増した。一方、末続ら歴代の日本人スプリンターと同様、重心移動など細部にも目を向け効率の良い動きも意識する。

完成形だった０３年の末続と異なり、１８歳のサニブラウンはフォームも体も発展途上だ。日本と海外の良い部分を合わせた走りを極めれば、目標に公言する「地上最速」が近づく。

ボルトも０５年に１８歳で初めて２００メートル決勝に出た時は８位だった。それよりは上の順位。世界としのぎを削った今回の得難い経験は、必ず次に生きる。